サンアントニオ地下の2つの巨大トンネル

 弊誌でよく紹介している、アメリカ・テキサス州サンアントニオ市中心部のリバーウォーク。地下深くに掘られた2つの巨大なトンネルによって洪水を防いでいる。
 サンアントニオ市の年間降水量は約800㎜で富山市の約3分の1程度しか雨が降らないところだが、春と秋、メキシコ湾からの暖かい空気が北からの冷たい空気とぶつかり、大雨になることがある。
 1921年(日本では大正10年)9月9日に発生した集中豪雨では、現在リバーウォークのあるダウンタウン地域と西側のサンペドロクリークに隣接する地域の両方に、大きな人命の損失と被害をもたらした。堤防から溢れ出た水の流れは、商業ビルを破壊し、家屋を押し流した。51人が亡くなったが、その場所は、4人を除く全員がサンペドロ川などの西側の河川沿いであったという。
 洪水対策として上流に貯水ダムをつくり、バイパス水路をつくり、馬蹄形部分に美しいリバーウォークを創造した。その後、100年洪水にも対応するため、2つの分水トンネルが掘られた。

サンペドロ クリークトンネルは1987年に建設が始まり、1991年に完成。トンネルの直径は約7.3m、深さは約42m、距離は約1.7km。


サンアントニオ川トンネルは、1993年に建設が始まり、1997年12月に完成した。トンネルの直径は約7.3m、深さは約45m、距離は約4.8km。

共に逆サイフォンの原理を利用している。この2つのトンネルのおかげで、1998年、2002年、2013年、2015年の洪水を回避することができたという。川の水が少ない時期には、トンネルにたまった水をポンプで汲み上げているそうだ。

参考文献/様々なサイトより。

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