浮田家(富山市)

 浮田家は代々、加賀藩・前田家の奥山廻役を命じられ、一時は三千石の格式を誇った旧家。奥山廻役とは、北アルプス立山・黒部の国境警備や山林保護を担う役職で、1870(明治3)年の職制廃止まで浮田家では三代宗兵衛から代々がその役に就いた。現在の屋敷は1828(文政11)年に役宅を兼ねて建てられたもので、用水に囲まれた敷地は、約5,190㎡と大役の威厳を誇っている。1979(昭和54)年には、宅地を含め主屋・表門・土蔵が国の重要文化財に指定された。
 なお、浮田家は宇喜多家の一族で、前田利家の四女豪姫が嫁いだ備前岡山の城主・宇喜多秀家が、関ヶ原の戦いで敗れ八丈島に流された後、前田家が間接的に連絡をとらせたといわれている。

(案内看板、資料他より)

おすすめ