【其ノ百六十二】コロナから心新たに
「めでたさも
中くらいなり
おらが春」
小林一茶 五十九歳の時の作です。昨年は落語界でも「小三治」「円丈」「川柳」と言う師匠方、いわゆる巨星墜つと言うほどにお亡くなりになりました。昭和戦後の名人上手と言われた方々が次々に。知らせを聞くたびに自分がその楽屋に巡り会えたこと、そしてそう言えるほど落語界に浸かってきたのだ。
思えば昭和五十二年に落語界に足を踏み入れさせていただき、今年で四十五年になる。今年から前期高齢者という、なんとも中途半端な身分?の仲間入りである。我々の世界は楽屋が一つの為か、みんなで同じように年をとるのでなかなか自分が年老いたことに気がつかない。違う世界の同級生や、以前からお世話になっている方々が定年退職などと見聞きすると、自分もそんな年なんだと驚くことがある。
「人生百年」と言われる時代になり、死ぬまで働くことが当たり前の世界が広がるのでしょうか。コロナで失った、いや勉強になった二年あまり。今年は心新たに、これからの時代を進むことにしましょうよ。
本年もよろしくお願いいたします!
【富山情報】
「さん生花緑二人会」
1/23㈰ 14:00〜
オークスカナルパークホテル富山
木戸銭:4,000円
出演:柳家さん生/
柳家花緑