【其ノ百八十七】立春大吉
二月になり、立春をもって本当の新年と言われる。いわゆる旧暦・新暦と言う考えです。明治になって世界と合わせる為に、それまでの陰暦の月の満ち欠けを基本としていたものを太陽暦というお日様の日の出日の入りを生活の基本とすることに合わせたことによるものです。陰暦はもともと大陸から来た考え方で、月の満ち欠けで暮らしていた。今でいう閏年のほかに閏月というのがあったと言われて、時には一年が十三カ月の年もあった。それが新暦に合わせて海外の風習が広がり、日本の風習や言葉が変わったのも確かである。月満ちて生まれる、月替わり、潮の満ち引きなどなど、月の満ち欠けが暮らしに与える影響を考えての言葉であり生活だったのではないか。落語でも、年越しの噺などよく聞いてみると陰暦旧暦の暮らしを話していることが出てくる。落語「厄払い」という年越しの豆を売る話がある。これなど豆を買って翌日には節分でその豆をまく。その豆を売り歩くのである。まさに立春で新たな歳としている。陰暦に戻せとは言わないけど、季節にあった言葉や風習を大切に暮らすことで、いつまでも四季のある優しい暮らしの国であって欲しいと願う。
いやはや、まいどはや