【其ノ百九十六】書道が贅沢になる
この10月から郵便物の値段が上がった。葉書85円、手紙110円となった。それが何? と思われるくらい、今やメールやLINEなどで済む時代だ。かく言う私も、ほぼメールにて仕事などやりとりしている。ことほど便利になった。本当に書くという事が少なくなった。キーボードを打てば文章が書ける。「字が汚い」「字が読みにくい」なんて言われることも無い。以前は末尾に「悪筆ゆえお許しください」などと書いていた。葉書、手紙をワープロなんてもので書いて出すのは失礼だと言われた時代がある。学校で書道の時間があり、書き順の勉強やテストまであった。今や手書きの葉書や手紙などもらうと、驚きとともにちょっと嬉しくなることがある。生まれた時からパソコンやスマホなどがある世代の人たちは、これからどうなるのだろう。「読み書き算盤」なんて遥か昔の時代となり、書道部は着物袴を着てイベントのように派手に大きな紙に書いて見せる時代になっている。墨を擦り、心落ちつかせるなんてことは、写経するお寺や書道教室でなければ見られない。いずれ硯でも買って墨を擦って筆などで字を書いてみる、そんな時間が贅沢な時間などとなるのかな。
いやはや まいどはや