昭和初期の富山市を代表する邸宅を美術館として一般公開

樂翠亭(らくすいてい)美術館 館長
石﨑 由則 さん

 5月22日、富山市駅北に、四季の移ろう庭園の美と共に、日本建築の和の空間で、日本の匠の技から現代作家の表現まで、ゆったりと堪能できる新しい美術館がオープンした。館長の石﨑由則さんに話を聞いた。

 「私は磁器はガラスケースに入れないで、もっと手の届くところにあって、身近に鑑賞できる方が良いと思っていたんですよ」
 樂翠亭美術館の新緑の庭園と、青白磁の作品を背景にして、石﨑館長はニッコリとほほえむ。
 樂翠亭は、戦後に建てられた敷地約1200坪の邸宅と庭園を、石﨑産業が美術館に改装して開館。オープン記念として、コレクション展「白磁、青磁の美︱伝統と創造」をスタートさせた。
 「屋久杉や秋田杉の長い一枚ものの廊下の上で、白磁や青磁の器を見ていただければ、古いものの中に、新しい創造の世界を発見していただけるのではと思っています」
 和室だけでなく、浴室など邸宅の大部分を展示空間としている。特に回遊式日本庭園と茶室に展示された内田鋼一の茶の空間は、まさに「伝統と創造」の今回のテーマがみごとに演出されている。
 「柵そのものが磁器で作られた作品で、それをそのまま展示しているので、見学者がさわってこわすのでは、と反対意見もあったのですが、私は生活の一部のように庭園と一体になった美術館にしたかったものですから」


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