富山市ともうまく連携して、松川一帯を魅力あるエリアに
富山県知事に就任した
新田 八朗 さん
10月25日に投開票が行なわれた富山県知事選挙で、現職を破り、戦後の公選知事では7人目の富山県知事に就任した新田八朗さん。選挙戦を通じて気づかれたことや、特に、県都・富山市の中心部における観光振興や、文化振興についてのお考えを聞いた。
「今まではビジネスを通じてお会いする方がメインでしたが、今回の選挙で県内をくまなく回って、やっぱり皆さんが一人一人、思いを持って、一生懸命生きておられることが改めてよくわかりました。この方々のために奉仕をしていくということが大きな責務だと痛感しました」
富山市中心部は、これまで観光的見所が少ないことが指摘されてきた。
「やっぱり、ポイントは水ですよね。水が作り出す景観は、街にうるおい、人にやすらぎを与えます。環水公園ができましたが、松川のまわりも魅力を上げて、面で、いわゆる散策できる、そんなエリアになっていけばいいと思います。松川遊覧船の桜の光景も、本当に全国的になかなかないですよね。富山市ともうまく連携して、魅力あるエリアにしていきたいと思っています」
また、文化面でも弱いと言われてきた富山市中心部。
「海外に行くと、仕事の話はもちろんするんですが、仕事が終わればカクテルパーティーがあったり、食事会があります。その席でみんなが興味を持つのは、富山ってどんな文化があってどんな作家や作曲家がいるんだ、と。滝廉太郎さんが2年程過ごされたということは是非みんなが知っていなければ駄目ですね。教育の中で小さい頃から教えていくことはとても意味のあることです。他にも埋もれている方がいっぱいおられると思うので、どんどん掘り出して磨いていくことが大切なことだと思いますね」
にった・はちろう ●
昭和33年(1958年)8月27日、富山市千石町生まれ。
富山高校、一橋大学経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)勤務を経て、昭和58年に日本海ガスに入社。平成10年に日本青年会議所会頭(第47代)就任。平成12年には日本海ガス社長に就任。以来20年間、経営者として数々の社内改革を実現。
令和2年の富山県知事選挙に立候補し、28万5118票を得て初当選。
前・北海道知事で参議院議員の高橋はるみ氏は実姉。公選第2、3代富山県知事で2期8年務めた高辻武邦氏は祖父。
○好きな言葉…「One for All, All for One」
○理想とする政治家…大平正芳氏(元総理大臣)