富山市北代縄文広場

縄文時代中期の大集落跡

 

 北代遺跡は、縄文時代中期後葉(約4000年前)を中心に営まれた大集落跡。遺跡は明治時代から地元でも知られ、多くの研究者が訪れて土器や石器を採集した。これまでの調査から、東西280m、南北200mの範囲に縄文時代の竪穴住居跡が70棟以上、中央部分で高床建物跡が4棟以上確認されている。
 その他、旧石器時代、弥生時代、奈良時代、平安時代の出土品や、奈良〜平安時代の竪穴住居跡、高床建物跡、鍛冶遺構が見つかっていて、この場所に何度も集落が作られていたことがわかる。
 北陸地方を代表する貴重な縄文時代の集落跡として、昭和59年1月4日に国の史跡に指定された。その後、地元の人々の協力を得ながら公有化が進められ、文化庁のふるさと歴史の広場補助事業として平成8年から10年度にかけて整備が行われ、平成11年4月29日に開園した。
 この遺跡は、呉羽丘陵の北側に広がる標高17mほどの台地上に位置している。台地は東西に長く、遺跡の北側と南側に谷が入り込み、谷底には湧水もみられる。北側の沖積地には、縄文時代前期(約5500年前)の蜆ケ森貝塚や小竹貝塚があり、当時、近くまで潟湖(古放生津潟)が広がっていたと考えられる。
 広場には、竪穴住居5棟と高床倉庫1棟を実物大で復原されている。富山に住んでいたら一度は訪れておきたい場所である。

 

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