富山城の鏡石(富山市)

藩主の権力の象徴。前田利長が富山城を築城した頃に配置。

 

 富山城の本丸鉄門石垣(大手筋)の通路に、5つの巨石が埋め込まれています。これは、鏡石と呼ばれ、石の表面が鏡のように平らなことから付けられたようです。鏡石は多くの城に存在し、藩主の権力の象徴とされました。藩主の住む御殿への通路に置かれ、巨石を見せつけることで、来る人に威圧感を与える効果がありました。また、石工職人が巨石を切り出し運ぶ能力が高いことをアピールする効果もあったようです。
 富山城の鏡石は、その一つに慶長期(1596年〜1615年)に多く刻まれた小形刻印が発見されたことから、前田利長が富山城を築城した慶長10年頃に調達された可能性が高いそうです。刻印の発見された鏡石をはじめ、鏡石5石はいずれも20㎞以上離れた早月川産と推定され、富山県全体が加賀藩領であった慶長期に調達が可能であったこととも符合します。ただ、設置当時、どのような配置だったかはわかっていません。
 現状のように配置されたのは、富山藩が分藩された寛文期(1661年〜1673年)の改修の際とみられています。

参考資料/富山市埋蔵文化財センターホームページ富山考古学会ホームページ、現地の案内板

 




 


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