金刀比羅(ことひら)神社(富山市)

 「こんぴらさん」とも言われ、神通川の漁師さん達の漁の安全、大漁祈願の神社として知られる金刀比羅神社。昔は神通川の鱒をお供えしていたそうだが、現在は鱒のすしをお供えしているそうだ。その由来について、案内看板から見てみよう。
 神通川は安政2年の頃、度々大洪水を起こし、堤防が決壊し、河川は大氾濫した。当時、七軒町在住の漁師・余川氏の夢枕に「我は金刀比羅大権現にて この洪水によって飛騨の高山よりきたれば この地に祭事を行なうよう」とのお告げがあった。夜明けを待って神通川(現在の金刀比羅神社横)へ駈けつけたところ、お告げ通り、桧材の上に石の御神体が流れ着いているのを発見した。御神体はひとまず鹿島神社に安置した。
 当時、現在の場所は、数百年の樹齢を数える欅や榎が生い茂る森厳な地であった。
 安政5年、神社建立の際、その中の何本かを藩より払い下げてもらい、金刀比羅神社の本殿並びに拝殿の建立にあてた。そして舟運安全、家内円満、商売繁盛などを司る河川の守護神として七軒町住民一同の手でお祭りするようになった、という。
 その後、病気平癒祈願のため近郷近在より多数の人々が参詣し、霊験あらたかな神として信仰をあつめているそうだ。

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