神通川舟航の最終点 牛ケ増(うしがませ)口銭場跡

 かつて神通川は舟運に利用され、猿倉山の「風の城」近くまでさかのぼっていたそうだ。
 この「牛ケ増口銭場」は、神通川舟航の最終点で、ここで、飛騨入りの荷物に対して口銭(課税)を取り立てたという。富山方面からの舟荷はここで降ろされ、飛騨方面からの荷物はここで舟に積まれたという重要地点であった。
 なお、牛ケ増の地名は、ここから山道にかかると、荷牛の数を増やさねばならなかったから生じたという。
 近くには立山道標も立つ。「立山下」「是ヨリ右三里、ふかたにノ湯迄」「右湯ヨリ立山権現十二里」等とある。飛騨からの立山登拝道になっていたようだ。

参考文献/『神通川と呉羽丘陵』(廣瀬 誠 著 桂書房)

 

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