いたち川の段差と舟運復活の夢
かつて神通川が蛇行していた頃、富山城そば(木町の浜)と東岩瀬湊(今の富山港)の間を帆掛け船などが数多く往来していた。その舟運を復活させたらいいのではないか、というアイデアは多くの人々によって語られてきたが、まだ実現していない。その理由はさまざまあるが、いたち川に2カ所の段差があることが大きい。1つ目は、松川の水位を安定させるための固定堰①、2つめは、与茂太郎川の少し上流にある段差②である。県美術館横のラバーダムを起伏した際の水位は、赤江川との合流点までは同じだが、そこから上流、松川との合流点までの区間の河床に勾配があるようだ。
舟運復活のためには、右記の2つの段差を一つにして、可動堰に変更すると共に、川の流れを妨げない形で閘門を作る、というアイデアが出ている。また、安全な運航のためには、⑤のラバーダムの予期せぬ倒伏をさせない必要があり、そのためにいたち川の水量の急増にも対処する必要があるだろう。同時に、松川の水位安定化も考えた構想がよいだろう。大きな構想だが、夢は大きく持ちたいものだ。
①松川の水位安定用固定堰
②少しの段差
③上記の2つの段差を下流から見る
④環水公園横のいたち川の船着き場
⑤富岩運河取水用のラバーダム(牛島閘門利用時も必要)
⑥いたち川と環水公園をつなぐ牛島閘門