水辺を活かした美しいまちを創りたい 森市長

月刊グッドラックとやま創刊30周年記念
Special Interview

水辺を活かした美しいまちを創りたい

富山市長 森 雅志さん

聞き手/月刊グッドラックとやま 発行人
中村 孝一

 

サンアントニオは
美しいオアシス

森市長 グッドラックを創刊されて30年になられるとのこと、おめでとうございます。〝継続こそ力なり〟といいますけど、これはすごいことだと思いますね。私も読者として、いろいろと参考にさせていただいています。

中村 ありがとうございます。サンアントニオから帰られたばかりですが、感想をお聞かせください。

森市長 予想以上でしたね。夕方ホテルに着いて、すぐリバーウォークに降りたんですが、沢山の人が歩いているのにまず、驚きました。松川と川幅があまり変わらないのに、レストランやホテル、お店が並んで、お祭りのような賑わいでした。しかも、大きな木が生い茂り、森林公園の中に商業施設があるという感じでしたね。

中村 写真だけではその場の雰囲気が伝わりにくいですからね。

森市長 まさに「百聞は一見にしかず」でした。行ってよかったですね。

中村 市長は人一倍感性が鋭いですからね。

森市長 今回はプライベートで行ったんですが、得る物が大きかったですね。しかし、大きな都市のど真ん中を流れる自然の川を活かして、川底を掘り下げ、騒音を遮断して別世界を作るという構想は素晴らしいですね。これからの松川の整備に、大変参考になると思いました。

中村 サンアントニオ市は、洪水に苦しめられバイパスを作って現在のリバーウォークが誕生していますが、これは、神通川にバイパスを作って松川が誕生した富山市の歴史と同じですしね。22年前には、サンアントニオ市から、姉妹都市の申し込みを受けた程。

森市長 サンアントニオ市の国際局長さんには、富山市が姉妹都市の申し込みを受けたことに対し、お礼を述べておきましたよ。

中村 それは素晴らしい外交辞令でしたね。向こうの人はそうした歴史を大切にされますから。中沖前知事も当時、サンアントニオ市から富山市に姉妹都市の申し込みを受けたことを知っておられて、実現しなかった事を大変残念がっておられましたね。

森市長 必ずしもシスターシティーという格好でなくても、違う形で交流することは可能だと思います。やっぱり、市民の皆さんにも是非サンアントニオの魅力を知ってもらって、ファンを増やしていくことが大切だと思います。

中村 そのとおりですね。

 

地下貯留槽で松川の水を
透明感のあるきれいな水に

森市長 松川では、19年度から、合流式下水道の雨水をどう処理するか調査を始めます。やっぱり松川の浄化が絶対命題で、透明感のあるきれいな水にする。もちろん底もきれいに掃除しますが。その前に、水質を。要するに、BODっていうか、化学的な分析では問題がなくても、プラス見た目の美しさが欲しい。一時期ほどのにおいはないと思うんですが、大量に雨水が入った時に、合流式下水道の区域なもんだから、汚物の混入を防ぐ必要があります。そのためには大きな貯留槽を作るしかないわけで、実は平和通りに、金沢市が作ったような大きな地下貯留槽を作れないか、上下水道局で検討してきたんです。これから県と協議ですが、松川の底に作ればどうかと。川の底に大きな貯留槽を作り、ずっと下流に行って出すと。これを19年度から調査を始めます。事業費いくらで、どういう手法があるのか。これがきちっとできたら、水質は格段によくなりますから。上からはきれいな水だけを流すようにするんですね。

中村 なるほど。それは素晴らしいアイディアですね。

森市長 次は川底を一年に一回ぐらいは定期的にきれいにする。あるいは、浮遊して流れてくるものを、網場みたいなもので、上流の安野屋あたりで、回収する。そういうことをやれば、諏訪川原、七軒町から下流はずいぶんきれいな水にできます。10年がかりかなと思いますけど、底にそういう地下貯留槽を作る。それをやれば、みんなも河畔にカフェやお店、ホテルなどを作ろう、という発想になってくるかと。

中村 それができれば、日本のリバーシティのモデルになり、全国からたくさんの人々が見学に来るでしょうね。

 

リバーフロントとしての
価値を高めたい

森市長 松川は全国に例のない都市河川ですから、街の資源としての価値を高めたいですね。単に、都市型浸水を防ぐためだけでなく、リバーフロントとしての価値を高めることです。まず、川が本来もっている美しい自然をとり戻す、美しい水が流れる本来の川に再生したいですね。

 

人口減少時代は
拠点投資が大事

森市長 人口が減少していく時代に入り、かつ新幹線で2時間で東京とつながる。で、なおかつ北陸新幹線の終着駅が金沢である、ということを考えると、今までのように、県土全体のバランスだとか、均衡とかを考えて投資していく時代ではなくなったと思うんですね。それは富山市の中においてもそうです。ですから、今、中心市街地の活性化基本計画を地域認定全国第1号、それは富山市全体に影響するわけで、けして旧富山市の中心部だけに投資して、効果も果実もそこで使うのではなくて、その結果生まれて来た財源をやはり全市に使っていく。一面だけ捉えるのじゃなくて、もっと中期、長期的な観点で自主財源を確保して、全体が地盤沈下しないように。そのためにはばらまきではなくて、拠点投資をしなきゃいけないと。水辺という価値をクローズアップしていくっていう取り組みは、ただ富山市だけでなく、富山県全体に最終的な利益として、はね返ってくると思います。

中村 確かにサンアントニオが松川のような川を整備して、リバーウォークを作ったことにより、テキサス州、いやアメリカの宝物になって、全世界から旅行者を集める街になったわけですからね。

森市長 サンアントニオのように、夜、ライトアップしてこんなことが本当に実現できたらですね、それは日帰りでビジネスを終えようとしていた人も、せめて1泊滞在しようかと。そうなると、ビジネスの時間の使い方もまた変わって来て、せっかく一泊するなら、もう少し、違う領域の企業と話してみようかとか、いろんな工場の現場見てみようかって連鎖していくでしょうし。

中村 そうですね。やっぱり中心に魅力があることで、旅行者を引きつけますよね。

森市長 そうなんです。ほんとそう思います。

 

3年先、21年度中に
路面電車の環状化をしたい

森市長 ウィーンや、クライストチャーチも街の中に路面電車のリングがあるんですが、ああいう都市ですね。一つのイメージはクライストチャーチを思ってるんですが、あそこもこういう雰囲気で、水辺、川があって、そのそばを歩道があって、車道があって、その中を路面電車が走っている。ぐるぐる回れるっていうのはすごく素晴らしいことで。観光客というのはその土地について知らないわけですから、バスではなかなか移動しにくい。でも、電車はまた戻ってくるわけですから、アフターコンベンションでも安心して市の中心部を移動できる。路面電車の環状化は、やっぱり水辺の質を上げるということとあいまって、ものすごく都市の魅力を高めると思うんですね。本当は丸の内のところから旅籠町へ回せばいいんですが、あれやると車線をどうしても減少しなきゃいけない。ですから、あえて大手モールまで富山高岡線を通すと、城址公園の敷地内へ拡幅できますから、車線を減少させないで、路面電車を延伸できると。これが狙いです。そのことによって国際会議場の魅力も上がり、コンベンションを誘致する際に、富山の国際会議場は移動も楽だとか、ヨーロッパのLRTが前を走っているとか、こういうのは結構評価してもらえる。

中村 サンアントニオの場合は、国際会議場にあたるコンベンションセンターやホテルに、船で行けますが、富山の場合はさらにヨーロッパのLRTで、市の中心部を移動できるという魅力が加わりますね。

 

市民の皆さんが
わくわくする施策を

森市長 特に富山県は、1時間あれば端から端まで行けますので、二重投資や分散投資にならないように、必要なところへ必要な投資を拠点的にやると。それぞれの役割がありますから。高岡市の役割、富山市の役割。そういう意味で富山市の都市内水辺空間というものは、それなりにもっと質を上げていくことによって、今言った役割の魅力をもっと大きくできると思います。そのために、富山市の中心部に拠点的に投資するということは、大事なことだと思います。やっぱり、市民の皆さんがわくわくするっていうか、高揚感を感じてもらえるってことが、大事ですし。社会資本整備がどうなったとか、都市の構造がどうだってことだけではなくて、一人ひとりの市民の生き方、一人ひとりの人生そのものにも、影響するんだろうと思います。やっぱり富山、ずっといようと。もっとよくなる。そういう高揚感を発信して行く事が大事だろうと思います。

中村 そのとおりですね。本日はありがとうございました。

 


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