4. 日本流ウォーカブル

髙栁百合子〈Profile〉

 

元・国土交通省都市局土木技官。20代で市役所に出向し、市民参画型のまちづくりに注力。長女出産後は研究所に勤務しながら博士号(工学)を取得。2018年4月に富山大学に都市デザイン学部が新設されたのを機に、准教授に着任。五福キャンパスで教壇に立ちつつも、娘の学校の先生には全く頭が上がらない。好物は富山湾のお刺身とお寿司。

 前回、ウォーカブルなどの言葉が日本でもここ数年の間に「外来語」として定着してきたというお話をしました。日本の近代以降の都市計画、都市政策は、欧米諸国の制度政策を参考にして整備されてきたものです。他の国々から学んだことを自分のものとしてカスタマイズして取り込んで、今の日本の都市計画があります。このような日本の都市計画の特徴を踏まえた上で、私はウォーカブル政策の位置づけに関する欧米と日本の違いに注目します。
 私達は、なぜウォーカブルを推進するのでしょうか?私は昨年、オーストリアがWalking Planを国レベルで策定した背景を伺ってきたのですが、その背景にはまず国連の合意があり、その下にEUで合意されたCO2排出量削減や移動の公正という目標がありました。オーストリアは、


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