松川の河川内遊歩道〔リバーウォーク〕(富山市)

S59〜H3年度に整備

 特に、花見シーズンになると、大勢の人達がシートを広げて、行き交う遊覧船に手を振ったり、楽しそうに時を過ごす、松川の河川内遊歩道。この遊歩道はいつごろ、どんな経緯でできたのか知りたいと思い、富山県土木部河川課の方にお聞きしてみました。
 それによると、富山県では、富山市の中心部を流れる松川について、河川環境や景観を保全するとともに地域住民や県内外から訪れる観光客の憩いの場として、親水広場や管理用通路の植栽等の整備を行ってきており、これらにあわせて、昭和59年度から平成3年度にかけて、富山市七軒町〜本町における松川の右岸側に河川内遊歩道の整備を行ったということです。
 その背景として、松川では、昭和50年代に水質の悪化が大きな問題となったことがあり、建設省(現:国土交通省)が昭和57年度から59年度にかけて、水質改善を目的とした「浄化用水導入事業」を行いました。
 富山県ではこれにあわせて、「環境整備事業」により、いたち川合流点〜舟橋区間の汚泥の除去と、既設護岸の基礎部を継ぎ足し補強する根継護岸の整備を行いましたが、この時に、富山城址公園のある右岸側において、根継護岸を嵩上げする形で上部に幅1・5mの歩行スペースを確保し、これを「河川内遊歩道」として利用することで、親水性の向上を図ったものということです。
 なお、書籍でも調べてみたところ、当時の中沖知事が、著書『新たな気流にのって』(ぎょうせい)の中で、「こんどの松川環境整備事業では、堆積した沃泥をいっきょに取り除くとともに、河川沿岸約一、一五〇mを区分して、それぞれ松川べりの環境に調和した自然石を使い、親水護岸や修景緑化護岸などを整備し、更に河川内遊歩道を設けて、県都にふさわしいやすらぎと潤いの新天地にしたいと思っている」と述べておられ、松川の河川内遊歩道に対する熱い思いが伝わってきます。
 そして、この松川環境整備を契機として、広範な総合的環境計画も作られたとのことです。
 春はもう少し先ですが、このような松川の河川内遊歩道にまつわるエピソードや未来に思いをはせながら、桜の木の下を歩いたり、遊覧船に乗ってみてはいかがでしょうか?

 





【追加写真】

 









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