安田記念公園(富山市)

安田善次郎翁の生誕の地

 


 

 明治財界の巨星、安田善次郎翁は、富山藩下級武士(足軽)・安田善悦の子として、天保9年10月9日(1838年)、越中国婦負郡富山舟橋向 鍋屋小路(現在の富山市安田町)に生まれた。幼名を岩次郎といった。太閤記を愛読し、豊臣秀吉の立身に深く感銘して、全巻を筆写すること数回に及んだ。16歳の時、諏訪川原で、富山藩の重職が大阪の用達商人に膝を屈するのを見て、金権の威に驚き、20歳の時に大志を抱いて江戸に出て、勤倹力行を信条にして初一念を貫き、遂に、安田銀行(現在のみずほ銀行)をはじめとした10数社を創立し、また、日本銀行の創立御用掛となり、引き続き同行の理事監事の要職を歴任する等、明治、大正の2代にわたり国家社会の為に多大の貢献をした。大正10年9月28日(1921年)、神奈川県大磯の別邸で暴漢に襲われ、82歳で亡くなった。安田公園は、善次郎翁の生誕の地で、昭和35年、児童遊園地として翁の嫡孫安田一氏より、富山市へ寄付された。

(参考資料/案内看板、『銀行王 安田善次郎:陰徳を積む』(北 康利著・新潮文庫)、他)


▲「松翁安田善次郎翁誕生地」と彫られた記念碑。碑文は、日銀総裁、大蔵大臣、首相を務めた高橋是清の筆。


▲富山駅前の安田善次郎翁之像(明治安田生命富山ビル前)

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