【其ノ百六十】本の装丁は大切なのでは

柳家さん生・・・昭和32年、富山市西町に生まれる。上野鈴本演芸場等、寄席定席に出演のかたわら、都内各所にて勉強会、独演会を精力的に開催、活躍中。

 ここ数年、本を読むことが多くなりました。若い頃は苦手で、学生の頃なんか読書感想文など大嫌いでした。特に授業で点数をつけられると、人によって感想など違うのに、なぜ正解不正解があるのか、本当にわがまま勝手に思っていたものです。
 買う本は、自分の中でいくつか決めていることがあります。
 「ひとつは文庫本。これは持ち歩きが楽であること」
 「ひとつは本の装丁が、大人だと思われるもの」
 近頃は表紙がアニメ調のものが多く出ているように思えます。アニメが悪いわけではないのですが、それだけで若者や本を読まない人に読ませようと、媚びている感がしてどうも手が出ない。
 本の装丁は、その本の中を想像させるのに大切なものだと思うのです。読み終えると、なるほどアニメ調の表紙が中身を言えていると得心するのですが…それでもです、訪ねて行った人の家で本棚に並んでいるのを見ると、なんだかいきなりがっかり思うことがあります。好きな知人先輩が読んでいる本を読むことで、人となりや少しでもその方に近づけると思うことがあるのは私だけ。
 いやはや まいどはや

 

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